
ドバイエアショー2021会場の様子
世界最高峰の栄誉「ベリファイド・エアトラベル・アワード」とは
世界中のラグジュアリートラベルを評価する権威ある機関、フォーブス・トラベルガイドは、旅行業界におけるサービスの質と体験を検証するため、「ベリファイド・エアトラベル・アワード 2025」を発表しました。この賞は、頻繁に旅行をする人々やラグジュアリー旅行アドバイザー、そしてフォーブス・トラベルガイドの専門調査員による厳格な評価に基づいており、単なる人気投票ではなく、実際に利用者の体験と専門家の視点から検証された真に優れた航空会社と空港を表彰するものです。
その評価基準は、機内でのサービス、ラウンジの品質、搭乗手続きのスムーズさ、革新的な顧客体験への取り組みなど、旅のあらゆる接点における最高水準のホスピタリティに焦点を当てています。この賞の受賞は、世界の空の旅における「最高品質の証」と言えるでしょう。
エミレーツ航空が「最優秀国際航空会社」に輝く
今年の発表で、最も注目を集めたのは、エミレーツ航空です。同社は、数ある国際線キャリアの中で頂点に立つ「ベスト・インターナショナル・エアライン(最優秀国際航空会社)」を二年連続で獲得しました。
エミレーツ航空の成功の秘訣は、乗客体験の細部にわたる継続的な改善にあります。特に、完全に個室化されたファーストクラス・スイートや、豪華なラウンジ設備といったハード面だけでなく、3万名以上の客室乗務員と地上スタッフが自閉症などの感覚過敏を持つ旅行者へのサポート訓練を受けている点など、ホスピタリティの追求と革新性が高く評価されました。
今回の受賞は、主要部門のほかに「ベスト・インターナショナル・ファーストクラス」と「ベスト・インターナショナル・エアライン・ラウンジ」も同時受賞しており、同社が提供する一貫したラグジュアリーな体験が世界に認められた形となりました。

エミレーツ航空のA380
日系ゼロ、アジアではシンガポール・チャンギ空港が唯一の光
今回の「ベリファイド・エアトラベル・アワード 2025」の受賞者リストを見て、日本国内の航空ファンにとって残念な結果となりました。主要部門において、日系航空会社の選出は見送られ、世界トップクラスの航空会社としての評価を得ることはできませんでした。
アジア全体の状況を見ても、このアワードで栄誉に輝いたのは、シンガポール・チャンギ国際空港が空港部門で選出されたのみに留まっています。世界に誇る日本の高いサービスレベルや定時運航率は周知の事実ですが、このフォーブス・トラベルガイドが重視する「ラグジュアリー」で「卓越した」体験という視点においては、エミレーツ航空やチャンギ国際空港が示すような、より革新的かつ総合的なホスピタリティの追求が必要とされていることが示唆されます。

シンガポールチャンギ国際空港にあるジュエル
日本の航空会社は、サービスの緻密さにおいては定評がありますが、必ずしも世界の評価にはならない可能性があります。今後は、エミレーツ航空が実現したような、最先端のハードと、利用者の多様なニーズに応えるソフトの両面を融合させた「真のラグジュアリー体験」を提供することで、世界の空の旅をリードすることが期待されます。

