【ドバイエアショー2025特集5】 展示機の「見どころ」解説

エアショー
シンガポールエアショーで公開されたC919 写真:そらオヤジ組

シンガポールエアショーで公開されたC919 写真:そらオヤジ組

いよいよ世界最大級の航空宇宙イベント、ドバイエアショー2025が開幕を迎えます。200機を超える壮大な展示機のラインナップの中から、特に注目すべき「見どころ」をピックアップしてご紹介します。最新鋭の商業機から、次世代の軍用機、そして未来の技術まで、見逃せない機体の魅力を会場で体感したいと思います。

COMAC C919/C909:アジアの巨人の「挑戦」を見る

今回、最も歴史的な意味を持つ展示の一つが、COMAC(中国商用飛機)のC919とリージョナルジェットのC909です。C919は、ボーイング737やエアバスA320といった既存のナローボディ機市場に、中国が本格的に参入するための切り札となる機体です。

これまでシンガポール・エアショーなどアジア圏での展示が主でしたが、中東の要衝であるドバイに登場することは、同社がグローバル市場への足がかりを固めようとしている明確な意思表示と言えます。エアショーの中でも、その市場性や完成度を直接確認できる貴重な機会となるでしょう。

シンガポールエアショーで公開されたC919 写真:そらオヤジ組

Boeing 777X:遅延を越えた「未来の翼」の雄姿

ボーイング社が今回のエアショーで自ら展示する主役は、長距離大型ワイドボディ機の777Xです。ドバイエアショーでは、4年前に初めての飛行展示を披露して以来です。開発の遅延が報じられ、世界の航空業界から注目を集めている機体ですが、今回は地上展示に加えて、迫力ある飛行展示が予定されています。

その巨大な翼端が折り畳める「フォールディング・ウィングチップ」は、地上でのユニークな見どころです。また、エミレーツ航空のティム・クラーク社長など主要顧客が会場を訪れることから、この機の開発状況や将来についてどのような発言があるのか、展示機を眺めながら想像するのも興味深い楽しみ方です。更なる大型の777X10の開発が決断されるかも知れません。

ドバイエアショー2021で派手な飛行展示を行う777X

エミレーツ/エティハドの最新鋭機:A350-900とA321LRの競演

中東のメガキャリアであるエミレーツ航空とエティハド航空は、それぞれの最新機材を展示します。エミレーツ航空は、受領からまだ間もないエアバス A350-900をドバイエアショーで初展示します。

一方、エティハド航空は長距離用のナローボディ機であるA321LRを展示予定です。これは、中東の航空会社が長距離路線でナローボディ機をどのように活用していくかを示す好例であり、航空戦略の多様化を感じることができます。

WH003号機 ©Boeing

軍用機・次世代機の多様なラインナップも見逃せない

商用機の展示に加え、各国の軍事技術の粋を集めた機体も必見です。ロシアからはステルス戦闘機Su-57E(輸出型)の静態展示が、欧州からはユーロファイター・タイフーンやフランスのラファールが確認されています。また、米空軍からは、P-8ポセイドンや伝説的な爆撃機B-52が飛行展示を予定しており、東西の軍用機の技術を間近で比較できる貴重な機会です。

さらに、未来の技術としては、HONDAのeVTOLを最大の関心事に、大阪・関西万博でも飛んだJoby AviationのeVTOLなどもリストアップされています。ドバイが推進するスマートシティ構想の中で、こうした次世代エアモビリティがどのように普及していくのか、その可能性を肌で感じてみたいと思います。

ポストコロナの航空業界の隆盛を肌で感じることのできる5日間となりそうです。

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