【ドバイエアショー2025 特集7】中国COMACがドバイエアショーで示す世界市場への決意

エアショー
中国南方航空のC919 B-658X

中国南方航空のC919 B-658X

COMAC(中国商用飛機有限責任公司)は、今回のドバイエアショーにおいて、3機体の大規模な展示で欧州と中東、アフリカ市場に向けて強い意欲を示しました。地上展示エリアには、中国南方航空のカラーリングが施されたC919型機(機体記号B-658X)、そしてリージョナルジェット機C909をベースとしたビジネスジェット仕様のCBJ(機体記号B-001X)が並べられました。

特に、中国南方航空の塗装機が展示されたことは、C919がすでに主要な航空会社での商用運航の時間が重なり、安全運航の時間重ねていることを視覚的に示すものでした。C909(B-001X)は、CBJ(COMAC BUSINESS JET)として展示され、旅客機市場だけでなく、高付加価値なプライベートジェット市場にも注力していることが確認できました。この3機の地上展示に加え、専用のシャレー(展示用別棟)も用意し、重要な顧客やパートナーとの商談の拠点としました。

C909(CBJ)の地上展示機

フライト専用機による連日のデモンストレーション

地上展示された2機とは別に、COMACはもう1機のC919型機(機体記号B-658M)を持ち込みました。この機体はCOMAC所属のフライト専用機として運用され、エアショーの期間中には、連日の飛行展示を実施しました。

エアショーの開催4日目まで、毎日途切れることなくフライトディスプレイを行ったことは、C919がすでに高い運航信頼性と飛行安定性を有していることを示唆しています。世界の主要エアラインやリース会社が注目する中で、C919は機動性に富んだ飛行を披露し、その性能を国際的な場で証明しました。

この連日の飛行実績は、欧米の既存メーカーが独占する単通路機市場において、C919が信頼できる新たな選択肢となり得るというメッセージを、世界に向けて発信するものでした。

COMACのC919(B-658M)が飛ぶ

機内見学で確認したキャビンの実力

筆者は地上展示された2機の機内見学を行う機会を得ました。C919の機内は、エアバスA320やボーイング737とほぼ同等の3-3配列のキャビンと最新のインテリアデザインが採用されており、商業運航機としての快適性が追求されていることが確認できました。

C919の機内

また、ビジネスジェット仕様であるC909の機内は、旅客機とは一変し、豪華な座席配置や内装が施されており、VIP輸送に対応できるプライベートな空間が広がっていました。これらの機内公開は、機体の基本性能だけでなく、市場が求める客室の質と多様な用途への展開力も備えていることを示しました。

C909の機内

まとめ 国際市場参入への確かな足がかり

今回のドバイエアショーにおけるCOMACの展示活動は、単なる機体のお披露目を超えた、国際市場への本格参入に向けた確かな足がかりとなりました。特に、航空会社塗装機とフライト専用機を使い分けた戦略的な展示は、C919が商業運航の安全飛行を継続する現状を明確に示しました。COMACは、存在感と潜在能力を世界に示したと言えるでしょう。

 

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