【特集2】ドバイエアショー2025 航空機の未来はここで決まる!

エアショー
COMACのC909(右)とC919は初海外ショーはシンガポールで

COMACのC909(右)とC919は初海外ショーはシンガポールで

2025年11月17日にドバイで開幕するエアショーは、「航空業界の見本市」です。今回は、新型コロナウイルスによる落ち込みから旅客数が急激に回復したため、飛行機の需要が供給を大きく上回る異例の状況での開催です。

機材が足りない航空会社は、メーカーから一刻も早く飛行機を仕入れたい状況にあり、商談における航空会社とメーカーの立場がこれまでとは違うことも、今回の大きな焦点となります。

ボーイングとエアバス 最新・巨大機の競争

世界の航空機製造の二大巨頭であるボーイングとエアバスは、今回も主力機で激しく競い合います。

ボーイングの新しい大型機、777Xは、燃費が良い世界最大の長さとなる機体です。翼の先端が折りたためる設計は、燃費を良くしつつ空港での利便性を保つための工夫です。

エアバスは、長距離路線向けの最新鋭機A350-1000を展示します。軽くて丈夫な素材を多く使い、燃費を大幅に改善しており、長距離を効率良く飛ぶための機体です。

ドバイエアショー2021で派手な飛行展示を行う777X

中国COMAC機 国際デビューの歴史的瞬間

今回の大きな話題の一つは、中国のCOMACによる初の国際展示です。

COMACは、ボーイングやエアバスと競う中型の旅客機C919と、小型の地方路線向け旅客機C909を展示します。これは、中国がアジア域外の世界の航空機市場に本格参入し、機材不足に悩む航空会社にとって、新たな選択肢となるかどうかが注目されます。

日本企業の挑戦 次世代の空「AAM」に注目

日本からは、空飛ぶクルマなどの分野で、4社が出展します。

「Honda」は空飛ぶクルマや、その動力源となるハイブリッド技術を紹介し、安全で使いやすい移動手段を世界に広めることを目指します。「川崎重工業」は航空機製造の経験を活かし、次世代航空機向けの技術や、クリーンエネルギーを活用した技術をアピールすると予測されます。

スタートアップの2社は航空機の運航を効率化するAI技術を紹介し、より安全で燃費の良い運航を実現するソフトウェア面での貢献を目指す「NABLAモビリティ」と産業用ドローンや、空飛ぶクルマの交通整理に欠かせない管制システム技術を展示する「テラドローン」が展示します。

ドバイエアショー2021で飛行展示を行うA350-900

環境対策の動き

CO2排出量を大幅に削減できる環境に優しい燃料、SAFの取り組みも注目されます。航空会社は燃料供給に関する大きな契約を結ぶことが予想され、水素などを使用したゼロエミッションを目指す環境に配慮した航空機の未来に向けた重要な進捗も発表されることでしょう。

エアバスの水素航空機の予測画像 ©Airbus

ファーンボロとルブルジェの歴史ある世界最大の航空ショーを商談額と規模で抜き去ろうとするドバイの勢いを感じる内容から目が離せません。

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