現在、航空機モデルの市場に流通している模型は、実在するものが殆どです。
特に自身で搭乗した機体やお好みの機体は揃えたくなるものです。
実際に存在しないモデルというものも少なからず存在します。
これは、航空関連企業が自社のロゴを機体にまとったものを販売促進で顧客に配るものになります。ドイツのモデルメーカー大手のヘルパ社がよくやる手法です。同社が、自社のPRや空港会社への売り込みに使うことがあります。
その他、航空貨物の世界でも、ドイツのシェンカー社やスイスのパナルピナ社の模型を見たことがあります。
トルコのゴックハーンさんの会社オフィスにも、大きな装飾ケースの中にコーポレートカラーの黄色でデザインした彼の会社
の航空機モデルや筆記具などが所狭しと並べられていました。このような商品は、顧客にでもならない限り手に入りませんし、数量限定ですので、珍品になります。
その他、実際に存在しない幻のモデルとは・・・。
航空機メーカーが、開発した航空機を航空会社への売り込む際に「導入して頂ければこんな塗装になりますよ」とPRする時に使います。
彼のオフィスには、日系のものだけでも数点のこのような商品がありました。
まず年代順にご紹介すると、TDAのトライスターです。
これはレッドアンドグリーン導入の1974年以前のオレンジで「ブラストフラワー」デザインの時代のものです。全日空でトライスター導入が同じ74年ですので、その前後のことでしょう。
同じように、JALの鶴丸トライスターも珍機です。
ロッキード社は、日本の3社に平等に売り込んでいて、いい返事がなかったので、全日空への売り込みを焦ったのかも知れません。
日本では、全日空のロッキード事件の発端となった発注だけに、「えっ、TDAやJALにも売り込んでいたの」と思える歴史の1ページに立ち会ったような感動を覚えます。ついでにご紹介すると、日系ではありませんが、トルコ航空時代の旧塗装でトライスター模型もあった事です。
コレクションの奥まった場所にあった為に画像は撮れませんでしたが、確かに目撃しました。
全日空モヒカン塗装のボーイング747SPもあります。
同社は1978年にボーイング747SR81を導入しています。
SP機はその後の国際線展開を狙ってボーイング社が売り込みをしたのでしょう。日本では、JALさえも発注がありませんので、まぼろし度の高い機体です。
全日空のBAE146もありました。日本へは1988年頃に成田空港へデモフライトしていますので、その頃のものでしょう。
塗装も、現行塗色になっています。結局、日本での導入実績はありません。
コンコルドも有名な機体ですので、多くの航空各社が発注を行いました。
JALも発注歴があることをご存知の方は多いでしょうし、その模型も見掛けます。世界の航空会社を熱狂させたのです。この機体の導入で、世界は変ると思った人は多かったのです。
そこに、トルコ航空(THY)時代の塗装機がありました。
又、イラン航空のものまであり、人気の深さが今更ながらに感慨深いです。
機体は天井から吊るされているものがあります。
収納棚には機体と機体が何段も重なって積まれています。そうでもしないと収まりきらないのでしょう。又、直接床に置かれるものまであります。
三回にわたってご紹介してきました。一個人の収集物としては、超弩級であることは間違いありません。
帰国して、写真を見てもどの部屋にあったものか思い出せません。
平面状に見えて、どれも同じように感じられるのです。
改めてイスタンブールを訪問して、ゆっくりと実物を眺めてみたいものです。
この感動は、是非航空ファンの方とも共有したいものです。
反響が大きければ、ゴックハーンミュージアムへのご案内をさせて頂こうと思います。
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