三菱重工業は6月25日、カナダのボンバルディアの民間航空機部門の事業譲渡契約で合意したと発表しました。今後、ボンバルディアは鉄道事業とビジネスジェット事業を継続していくことになります。
ボンバルディアのCRJ機は50人乗りのCRJ550から104人乗りのCRJ1000までの4機種。今年3月末段階の受注残となるCRJ900の51機はボンバルディアが2020年に掛けて製造し、総生産数1950機で事業を終了します。エンブラエルのERJ機に押されていたCRJ機の生産が終わることになります。
試験飛行中のMRJ90はSPACEJET M90になり、今後開発されるMRJ70はSPACEJET M100と変わりました。
M100は、MRJ70の変更版かと思われましたが、スペックを見ると別の機体だとわかります。70席クラスは変わりありませんが、M100は76席仕様で3クラス設定になり、以前のシングルクラス対応よりゆったりしています。これは全長を33.4mから34.5mに1.1m長くし、貨物室スペースを18.2M3から13.6M3に4.6M3減らして対応しました。オーバーヘッドビンに入るバゲージの最大サイズは、56X45X25cmから58X37X25cmと全長で6cm減っているところが気になるところです。
それでも、肝心な航続距離は、MRJではSTD、ER、LRと3モデルあった最上位のMRJ70LRの3,740kmに匹敵する3,540kmまで伸ばしているのがわかります。初期モデルから大きくスペックを改善しました。それゆえに名称も座席数にとらわれない大きな100と付け、本気度を表します。因みにM90の航続距離は3,770kmでM100より230km長くなります。
この先、リージョナル機の部門でエンブラエルと世界の2強となるのか、注目が続きます。