FAA(米連邦航空局)は、4月15日、2024 年 7 月までに米国で最初の 4 つの空港に Surface Awareness Initiative (SAI) システムを導入すると発表しました。他の多くの空港にも 2025 年末までに導入される予定です。
オースティン(AUS)、インディアナポリス(IND)、ナッシュビル(BNA)、ダラスのラブ・フィールド(DAL)は、航空管制官の状況認識を向上させることで滑走路侵入のリスクを軽減する新しい飛行場監視システムを導入する全米初の空港となります。
FAA長官マイク・ウィテカー氏は次のように述べています。 「この費用対効果の高い技術により、管制官はあらゆる気象条件下で飛行場全体の航空機と車両をタイムリーかつ正確に把握できるようになります」とのこと。
SAIの仕組みは、ADS-B(放送型自動従属監視)データを使用して、地上監視ツールを持たない空港の管制官に地上交通情報を表示します。航空機と ADS-B を搭載した車両は、滑走路、誘導路、貨物エリア、ランプなどを描いた空港マップ上にアイコンとして表示されます。
SAI は、FAA の迅速な地上安全プログラムを構成する 3つの取り組みのうちの 1 つで、他のツールは、ARV(滑走路進入検証)と(RID)滑走路侵入装置があります。
これらの技術の迅速な開発と導入は、2023年の国家空域システム審査チーム報告書の発表を受けて、安全性を強化し重大な危機を排除するためにFAAが取っている多くの対策の1つです。 FAAの取り組みは次のものも含まれます。
※航空管制官の採用は2023年に1,500人、2024年に1,800人の新規管制官を採用するという目標を上回りました。
※航空交通大学訓練を強化し、卒業後すぐに施設訓練を開始できるより多くの候補者を採用します。
※2025 年末までに、アップグレードされたタワーシミュレーターシステムを全国の 95 の施設に導入します。
※全国の空港で 滑走路安全対策チーム会議を定期的に開催します。
※大、中、小規模の空港で滑走路の照明と表面の改善に 数百万ドルを投資します。
これらの取り組みは、1月2日に羽田空港で起きたJALと海保機の衝突の教訓となる内容です。航空先進国のアメリカに習うところは多いのではないでしょうか。