スイス航空 DC-4 フライト (前編)

搭乗記

 SWR DC4
 

昔の飛行機は身近ではないので、強い嗜好がある訳ではなく、漫然とロマンチックでいいなあという印象でした。

スイス航空(SWR)大西洋横断50周年の記念行事で、当時存在するフライアブルなDC-4が南アフリカ航空にあるとのことで、短期チャーターされました。チャーター旅行のハイライトは50年前を辿る、大西洋を越えてチューリッヒからニューヨークへ向かうフライトです。しかし、それは高額すぎて近付けなかったのです。

SWR勤務の友人D君から連絡が入りました。

ドイツ人マニアの力で、チューリッヒからルクセンブルクへの日帰りチャーターフライトが実現したとのことで、お声が掛かりました。

チューリッヒ空港に降り立った私は、夏の爽やかなスイスの風を感じながらD君と会います。

彼は、SWRに勤めるフライトアテンダントでありながら、家もチューリッヒ クローテン空港からも歩いて行ける場所に住む大の航空ファンです。

人生の過半が航空機で成り立っているようなスーパーマニアで、家にリトルナリタと本人が呼ぶジオラマを作ってしまうほどの日本贔屓でもあります。         

アテンダントが搭乗マニアだと、凄い生活になります。アジアやアメリカのロングフライトの後で、ジュネーブ経由、アフリカへの貨物機フライトの同乗を聞いた時など開いた口が塞がりませんでした。

出発前日には、空港にあるSWRのスタッフカフェテリアで二人の前夜祭です。

遠くには、フライトに備えた優美な後姿のDC4がオレンジ色の照明の下で静かに佇んでいるのが見えました。


その姿を目に焼き付けながら、翌日のフライトへ思いを馳せます。

後編につづく 

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