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ボーイングとエンブラエルは、4月25日に進めていた提携を前提とした新会社設立を中止すると発表しました。
ボーイングが737max機の運航停止で財政的に厳しい局面を迎えていたことに加え、新型コロナウイルスの影響で世界中の顧客の航空機が運航停止になり、新たな受注も抑えられていました。リージョナル機部門を拡充してオールラウンダーの航空機メーカーになるどころか、現状を維持することさえままならない状況をあらわしています。
その発表内容はかなり温度差があります。ボーイングが淡々と交渉過程と事実を述べているのに対し、エンブラエルはボーイングが不当に契約を終了させたとリリースにしては珍しく明確にボーイングを非難しています。エンブラエルが被った被害に対する損害請求も求めるとしています。
合意への背景となる経済環境が変わってしまったことで、ボーイングの積極姿勢に変化が起きました。今のボーイングの判断は生き残りには正しい判断と思えます。それにしても後味の悪い提携解消になってしまいました。