
カンタス航空ボーイング747-438(VH-OJA)が2015年シドニー空港からHARSのあるアルビオン空港へ到着した時の写真(提供:HARS)
カンタス航空ボーイング747-400の展示開始10周年
シドニー近郊の歴史的航空機修復協会(HARS)では、カンタス航空から寄贈されたボーイング747-438(VH-OJA)の展示開始10周年を迎えました。この機体は、2015年にカンタス航空より正式にHARSへ寄贈され、以来、航空ファンや来場者に親しまれています。

HARSに展示されるVH-OJA
VH-OJA機は1989年からカンタス航空の主力機として活躍し、多くの乗客を世界中へと運んできました。同年8月17日にロンドンからシドニーへの直行便でこの航空機を納入することで、実力を実証しました。納入飛行は18,001kmをカバーし、20時間9分5秒で完了しました。

VH-OJAはコックピットも公開しています
この先、カンタス航空が世界一の長距離飛行としてエアバスA350-1000にて定期商用飛行を計画しているサンライズプロジェクトの原形がここに存在していたわけです。

HARSに常設展示されるボーイング747-438
以来、26年間カンタス航空の主力機として飛び続け、2015 年 3 月 8 日日曜日の朝、空の女王の美しい一機が同機の最短飛行時間でシェルハーバー空港にある HARS 航空博物館 (HARS) に飛来しました。この機体を保存・展示することで、オーストラリアの航空史における重要な一翼を担う存在として、多くの人々にその歴史を伝えています。以来、HARSでの記念イベントでは、元カンタス航空のパイロットや関係者による講演も行われ、来場者にとって貴重な機会となりました。HARSでは、開館日には機体を公開しています。10周年となる2025年3月8日(土)のHARSでは記念イベントが開かれます。
ジョン・トラボルタ所有のボーイング707、輸送計画の変更

ジョントラボルタのボーイング707
アメリカジョージア州ブランズウィック(BQK)にあるジョン・トラボルタ氏が所有するボーイング707-138B(N707JT)は、修復後にHARSへ飛来する予定でした。しかし、技術的および運航上の問題により、空輸計画は断念されることになりました。これにより、同機は海上輸送によってオーストラリアへ運ばれることになりました。
HARSでは、このボーイング707を慎重に分解し、海上輸送を経てシドニーで再組み立てを行う予定です。ジョン・トラボルタ氏が個人的に所有していたこの機体は、彼の航空への情熱を象徴する存在であり、HARSのコレクションに加わることで、さらに多くの航空ファンに注目されることでしょう。
HARSでは、今後も航空機の修復・展示を通じて、航空の歴史を後世に伝えていく取り組みを続けていくとのことです。2026年3月のHARSのあるシェルハーバー空港でのエアショー(Airshows Downunder Shellharbour)でこの707は公開される予定です。
撮影:特記以外は筆者が2023年12月に撮影