航空業界の復活はコロナ後の世界経済を占う上でも重要な指針です。現在の景気低迷は、世界の人的交流が滞っていることも一要因であるからです。
ひとつの答えを英航空分析会社の「Cirium」が出してくれました。Ciriumは1909年を起源とする世界初の週刊航空宇宙専門誌がルーツの会社です。
事業内容はB to Bでエアライン、空港会社、旅行会社、テクノロジー企業、政府機関、OEM、MROプロバイダ、航空ファイナンス企業、保険会社を顧客にし、航空データを提供します。10月20日にメディア向け説明会を開催しましたので、概要をお知らせします。
世界中で、ほぼ全ての航空カテゴリーのデータを提供できるのは同社だけと言うだけあり、筆者の記事作成でも使用する航空データを提供頂いたこともある会社です。一般消費者にはなかなか接点のない会社ですが、2000のデータソースから300テラバイトの情報を引き出すことができると言います。
情報は、エアライン970社、17,630の空港、40万機の機材、30万路線、何百万ものイベント、気象情報、輸送量と運賃、NOTAM(航空情報)を網羅しています。
Cirium日本・韓国カントリーマネージャーの高坂美恵子氏から開会のあいさつの後、登壇したのは香港在住の航空機鑑定マネージャーのハーマン・チェ氏。
日本の属するアジア太平洋地区の旅行市場は日本がけん引し、2023年の11月には2019年レベルに回復すると予測します。
日本の国内線市場は2019年を超えており、2022年9月の国際線キャパシティーは2019年同月の17%下回る水準だそうで、回復基調が続いているとのこと。
景気の後退で需要回復は2年遅れる可能性もあるものの、航空機の性能向上がそれを補うことが考えられるという意見が出ました。
ここまで明確に分析予測を出せるのは、メタデータのおかげです。今後も同社の予測に注目です。