
リアルな動きが素晴らしいGSEを紹介するANA中部空港の社員
2025年7月18日、ANAはANAホールディングス傘下のANA中部空港株式会社が、新たなホビー商品として「ANA PREMIUM PAPER CRAFT GSE Series(GSEプレミアムペーパークラフト)」を設計・監修し、発売したことを発表しました。このユニークなペーパークラフトは、グランドハンドリング業務を担う社員が自らの手でデザインしたものです。
実際の空港車両を忠実に再現
今回のペーパークラフトは、空港で航空機を支える地上支援車両、いわゆるGSE(Ground Support Equipment)をモデルにしています。第1弾として登場したのは、パッセンジャーステップ車。続く第2弾にはベルトローダー、第3弾にはトーイングトラクターが予定されており、それぞれ8月下旬、9月下旬に発売される予定です。
デザインを担当した社員は、自らの業務経験と現場の実車データを活かして設計を行い、最新の印刷技術と相まって、細部までこだわり抜いたリアリティの高い仕上がりとなっています。背景台紙やオリジナルステッカーも付属し、完成後の達成感と製作中のワクワク感の両方を楽しめる商品です。

リアルに再現されています
能登への想いを形に
このプロジェクトの発端は、2024年1月1日に発生した能登半島地震にありました。提案者である社員は、被災地にある母校や馴染み深い地域が甚大な被害を受けたことを受け、「自分にも何かできることはないか」と考え、このペーパークラフトの構想を温めてきたといいます。
筆者は2024年3月に中部国際空港(セントレア)で開催された「航空ファンミーティング」の会場で、作者本人から直接話を聞く機会がありました。その様子はYouTubeチャンネル「そらオヤジ組」でも紹介されています。(6分50秒後から)当時はまだ商品化の段階には至っていなかったものの、ANAのインスタグラムでも紹介されており、何らかの形にしたいと発言していた姿が印象に残っています。
その言葉が1年以上の時を経て実を結ぶことになりました。今回販売されるGSEペーパークラフトの収益の一部は、石川県への災害義援金として寄付されることが決定しました。空港という生活基盤を支える現場から、被災地を支えるもう一つの支援のかたちが生まれたと言えるでしょう。

一社員の思いが形になりました
空港の魅力を家庭に届ける
ペーパークラフトの販売は、ANA公式オンラインショップ「ANA MALL ワクワクショップ」や、LUXURY FLIGHT(羽田・セントレア・伊丹空港店)、さらにセントレアのオフィシャルショップ「SORA MONO」など、複数のチャネルで販売が展開されています。価格は送料込みで2,500円(税込)。航空ファンのみならず、ものづくりが好きな方や、お子様との工作時間を楽しみたい方にもぴったりの内容となっています。
空港で日々活躍する車両たちを、手のひらサイズのペーパークラフトとして再現した本商品。グランドハンドリングの現場を知る社員だからこそ表現できたディテールが詰まっており、単なる玩具を超えて、空港の魅力やリアルな業務の世界を垣間見ることができます。
「空港で働く車をもっと身近に感じてほしい」という願いから始まったこのプロジェクトは、空港の仕事への誇りと、被災地支援への真摯な思いが交差する心温まる取り組みです。ANA中部空港のグランドスタッフが届ける精密でリアルな“空港の風景”が、ペーパークラフトというかたちで多くの人々の手元に届くことを願ってやみません。
↓ この動画の6分50秒後にペーパークラフトの話が出てきます