国際航空運送協会(IATA)が航空機メーカー3社とともに声明を発表 「航空機内での感染リスクは雷に打たれる確率と同じ」

ニュースリリース

全画面キャプチャ 20201010 202240
©Airbus

IATA108日、航空機メーカー3社のエアバス、ボーイング、エンブラエルとともに航空機内での新型コロナウイルス感染のリスクが低い検証ができたことを発表しました

 2020年初頭より、航空輸送における新型コロナウイルス感染者数は、合計12億人の航空旅行者に対し、44人であったと報告しています。この数値は、2,700万件の旅行で1回の感染がある結果です。90%の事例で報告が無いと見積もっても270万件に1回の感染という数字です。

全画面キャプチャ 20201010 204343
©Boeing
 

この数値の多くは、IATAがマスク着用を推奨し、ICAOがガイダンスを発行する以前のものも含まれており、直近では更に安全性が高まったと言います。

 この数値が低いことの理由は、エアバス、ボーイング、エンブラエルの各社の機体を利用して、「数値流体力学」を用いた検証を実施した結果であり、各社のシミュレーションによると、機内の空気循環システムが有効に働き、ウイルスの動きがコントロールされているということによります。

全画面キャプチャ 20201010 204640
©Embraer
 

今までも航空機内の感染リスクが低い理由が述べられて来ましたが、繰り返し伝えられています。

・乗客が前向きに座り、移動が少なく対面になる可能性が低い。

・座席の背もたれが物理的障壁になり、前後への空気の流れを遮断する。

・空気が天井から床に流れ、前後方向への流れは最小化される。

・客室内への空気は大量に1時間に2030回も頻繁に入れ替わる。

・空気中のウイルスや細菌を99.9%除去するHEPAフィルターが装備される。

全画面キャプチャ 20201010 205028
©IATA
 

各社の研究発表の概要は以下の通り。

エアバス・・・A320機内での咳の飛沫流動シミュレーションで、客室の5,000万か所において空気の速度、方向、温度の変数を変え、1秒につき最大1,000回の実験を行いました。航空機内は公共の場での人が1.8m離れた状態と同じだとする結果が導き出されました。

ボーイング・・・機内で隣り合って座る乗客は一般的な屋内環境で2m離れているのと同じ。

エンブラエル・・・民間航空機の機内は、どこよりも安全な場所のひとつです。

 これらの研究を踏まえIATAが最近行った調査では86%の旅行者が航空機内は安全であると回答したと言います。

全画面キャプチャ 20201010 205102
©IATA 

IATACEO兼事務局長のアンクサンドル・ドゥ・ジュニアック氏は新型コロナウイルス感染拡大の解決策は見付かっていませんが、予防を複数で組み合わせることによって感染リスクを低減することは可能だと述べました。最後に同氏は、機内での感染は人が雷に打たれるのと同程度のリスクであると締めくくりました。

 IATAの資料の最後に、この研究には三菱重工業を加えた世界45の企業や機関が協力をしていると紹介されていました。

全画面キャプチャ 20201010 205112
©IATA 

タイトルとURLをコピーしました