ガルフストリーム、最新鋭ビジネスジェット「G800」初号機を納入

航空業界
2023年パリエアショー会場で筆者が撮影したガルフストリームG800の試験機 800

2023年パリエアショー会場で筆者が撮影したガルフストリームG800の試験機

世界最長の航続距離を誇るガルフストリーム社の新型ビジネスジェット、「ガルフストリームG800」の初号機が、2025年8月27日に顧客へ引き渡されました。G800の就航は、4月16日に連邦航空局(FAA)と欧州連合航空安全局(EASA)から認証を取得したことを受けてのものです。機体の艤装は、ウィスコンシン州アップルトンにあるガルフストリーム社の施設で完了しました。

G800の離陸 ©Gulfstream

世界を股にかけるビジネスの新たな翼

ガルフストリームのマーク・バーンズ社長は、「G800への需要は驚異的であり、お客様への納入開始を心待ちにしていた」と述べています。G800は、先代のG700と同様に、非常に完成度の高い状態で就航します。社長はまた、「世界中のお客様に、この機体の卓越した性能と快適な客室を体験してもらえることを楽しみにしている」と語っています。

G800の性能は、その認証によってさらに向上したことが確認されています。高速巡航速度マッハ0.90で7,000海里(約12,964キロメートル)、長距離巡航速度マッハ0.85で8,200海里(約15,186キロメートル)の飛行が可能です。最高運航速度もマッハ0.925からマッハ0.935に向上しました。

G800の飛行 ©Gulfstream

卓越した快適性と最先端の技術

G800は、2025年度国際ヨット&アビエーション賞のプライベートジェットデザイン部門を受賞しています。客室は、高度41,000フィート(約12,497メートル)飛行時でも、身体的負担の低い業界最低水準の2,840フィート(約866メートル)という低い客室高度を誇ります。

さらに、客室内は100%フレッシュエアが供給され、プラズマイオン化空気清浄システムも装備しています。本機体独特のガルフストリーム・パノラミック・オーバルウィンドウが16面設置されており、機内は最大4つのリビングエリア、または3つのリビングエリアと専用のクルーコンパートメントを構成できます。

G800の華麗な飛行©Gulfstream

日本の経済活性化への期待

日本においても、このような超長距離ビジネスジェットの導入は、経済に大きな恩恵をもたらすでしょう。東京から世界の主要都市へ直行できるG800の航続距離は、グローバルに事業を展開する日本の企業の競争力を高めることにつながります。

経営層や重要なクライアントが長時間のフライトを快適に過ごせることは、移動の負担を軽減し、生産性の向上にも寄与します。また、プライベートジェットの利用は、通常の航空便では難しい柔軟なスケジュール調整を可能にし、緊急な商談や視察にも迅速に対応できます。

G800のような最高級のビジネスジェットが日本のマーケットで普及すれば、空港関連サービス、機体整備、燃料供給、パイロットや客室乗務員の育成など、航空産業全体に新たなビジネスチャンスが生まれます。

これにより、雇用創出や技術力の向上にも繋がり、日本の経済を活性化させる一翼を担うことが期待されます。ガルフストリームの最新鋭機が、日本のビジネスの未来を空から支える存在になる日が来るかもしれません。

 

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