伊丹空港では、全日空ジャンボの初飛来を見ていましたので、初就航の搭乗を狙ったのは自然の流れでした。
羽田~千歳へ向かうフライトが就航初便です。前日に伊丹から羽田まで、トライスターに搭乗ですから、今から思えば夢のような体験です。
それでも、全便スカイメイトの空席待ちでの挑戦は、運も必要になります。
冬の初便は、天候の影響も受け易いのですが、搭乗時はまだその気配はありませんでした。
羽田発千歳行きの初便は、早朝に羽田を出発する51便です。全日空がスーパージャンボと名付けたボーイング747SRのJA8133号機が見えました。タラップの前に、500人乗りであることをアピールするアーチが設置され、搭乗客は、その0の数字をくぐり抜けて乗り込むという趣向です。
座席は、20Aでちょうど主翼の付け根前方で非常口のある場所です。少し身体をひねると、力強いエンジンが2発見えて、写真映えします。4発ジェット機が初めてのANAにとっても、その後の大いなる会社の飛躍をもたらす基幹機材です。お客様にとっても、4つのエンジンの安心感はとても重要です。
アッパーデッキにも上がってみました。赤い座席のスーパーシートが20席並び、ビジネスマンが多く、静まっています。初便の華やかな喧騒は感じられません。ベテラン客室乗務員が、一人で奮闘している様子が解ります。
仙台を過ぎる辺りから、雲が多くなってきます。 北海道に入ると、完全に雲中飛行になりました。
アナウンスが入りました。「千歳上空は、視界が悪く、着陸できません。40分程度上空で待機して、天候の回復が見込まれない場合は、羽田に引き返します」と。結局、回復の見込みの無いまま、就航初便は羽田へ戻って行きました。
当時のフライトレコードでは、高度3,3000フィートだった事がわかります。フライトタイムは、予期せぬ往復ですので2時間57分と記録されています。
千歳に降りた場合でも、そのまま当日中には戻る計画でしたので、今回の体験はここで終わりとしました。
再度、千歳に向けて離陸していく機体を羽田空港展望デッキから見送ったのは、いい経験でした。
残されたフライトレコードと初便搭乗証明書が自慢のコレクションとなりました。
コメント